未経験で学習塾を
開く前に決めておくこと。
未経験でも、学習塾は開けます。開いたあと続けられるかは、開く前に決まることが多い。
僕は国立大学で学生支援と入試の仕事を24年して辞め、塾で働いた経験がないまま2021年5月1日に学習塾を開きました。そのときにやっておいてよかったことと、もっと早く考えておけばよかったことを、開業を考えている方向けにまとめます。
最初に考えるのは、
「なぜ、学習塾なのか」。
開業の準備というと、場所、お金、教材、ホームページから考えたくなります。でも最初に決めておきたいのは、なぜ自分は学習塾をやるのかです。
立派な理由である必要はありません。「子どもが好き」でなくてもいいし、「教育を変えたい」でなくてもかまいません。ただ、ここが言葉になっていないと、うまくいかない時期に方針がぶれます。個人の教室は、教える人の考えそのものが中身です。料金も、対象も、断る生徒も、最後はここから決まります。
紙3枚、
各3分のワーク
頭の中で考えるより、書き出したほうが早く見えます。A4の紙を3枚用意して、それぞれ左上に問いを書き、3分間、思いつくことを全部書きます。人に見せるものではないので、恥ずかしがらずに書いてください。
3枚並べて眺めると、「本当に塾がやりたいのか」「やってみる価値があるか」の答えが見えてきます。両方「はい」なら次へ。どちらかが「いいえ」なら、それ自体が大事な発見です。
3枚の問い
1枚目:なぜ学習塾なのか
2枚目:未経験だと、なぜ不安なのか
3枚目:それでも自分が有利だと思うところ(得意なこと・使えるもの)
よくある5つの不安を、
計画に置き換える
- 生徒は来るだろうか簡単には集まりません。最初の生徒が来るまで時間がかかる前提で、厳しめに見積もります。たとえば「5人来たら黒字になる」くらいの小さな規模で始めて、育てていく形は十分ありです。開いたのに問い合わせが来ないとき
- 採算が取れるだろうか塾は、生徒が一人でもいるかぎり、赤字だからといってすぐにはやめられません。だから「取れるかどうか」を悩むより、取れる計画を先に作ります。想定する生徒数と授業料と授業の量のつり合いを取り、料金はまわりの塾と比べるより、自分の中身から自信を持って決めます。料金設定の考え方
- ちゃんと教えられるだろうか中学の内容だからといって甘く見ないこと。僕は仕事を辞めてから最初の生徒が来るまでの時間を使って、中学の学習内容を総ざらいし、高校入試の問題を自分で解き直しました。少なくとも、教える教科は「何でも来い」の状態にしておきます。難関校を目指す塾にしないのなら、学校の授業を補う教室として始めるのも手です。
- 続けられるだろうか気持ちの話に見えて、実は計画の話です。僕は開業前に3年・5年の計画表を作りました。その通りにはいきませんでしたが。いま始めるなら、そこまでしなくても、1年ぐらいの計画と、その間をしのげるお金があれば始めていいと思っています。
- お金がなくなったらどうしよういちばん怖いのはここです。僕も退職するとき、いちばん怖かったのはお金でした。規模、立地、まわりの教室、地域の教育熱。開ける前にできる限り見ておき、最初に大きなお金を使わない順番で準備します。払わなくていいお金
未経験だから
持っているものもある。
塾で働いた経験がないと、顧客もノウハウも持って来られません。僕もそうでした。一方で、前の仕事で身についた、困ってもなんとかうまくやる事務の調整力や、入試や募集要項の読み方は、塾を開いてからも役に立っています。
3枚目の紙に書いたものが、あなたの教室の「ほかと違うところ」の候補です。それを最初の一文にできれば、募集の言葉もホームページも、そこから組み立てられます。
自分の教室に当てはめると、
どこから直すのがいいか。
開業前の方も、開いたばかりの方も、90分のオンラインで一緒に整理します。決まっていないことを並べて、次にやる順番まで持って帰ってもらいます。
事例協力枠は、開業予定が1年以内、または開業して1年以内の方が対象です。セッション後に感想を書いていただき、お名前や教室名を出さない形で事例として掲載します。